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選句です

 投稿者:ゆかり  投稿日:2017年 6月 4日(日)16時54分53秒
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  ○たこやきの銅板並べ夕薄暑
 じつはこの句に出会うまで、たこ焼き器に銅板のものがあることを知りませんでした。「並べ」というのは開店前の店支度なのでしょうか。銅板の色や質感がよい具合に季語と響き合っていると感じます。

○紫陽花や雨に目覚める銅の樋
 「目覚める」の擬人法がいささかいやったらしいけど、濡れて光沢を放つ銅の樋の存在感があります。

○銅製の額縁錆びて青葡萄の香り
 額縁は古びるけど、中の絵は今も描かれたときの新鮮さを放っている、ということを言っているわけですね。

○銅銭の穴投げ四万六千日
 穴だけ投げるような不思議な措辞がすてきです。

○どの像も姿勢つらさう梅雨の天
 いや、そもそも同じ姿勢でいることが問題で、人間も一晩に25回寝返りを打たないと腰痛になるのです。「梅雨の天」がいかにもつらそうです。

○仏像に凭れてゐたるビキニかな
 仏をも畏れぬ行為ですね。でもそんなグラビア写真、ありそうです。

○芸ひとつ見せて去りけり夏燕
 つ・ば・め・が・え・し、ですか。

○芸大と東大近し立葵
 これ、地理的な距離の話のようでもあるし、そうでないようでもあるし、立葵がアカデミズムの対極であるかのようにひらひらしていて面白いですね。

○人の手に渡りし茶碗走り梅雨
 こう書かれると「人の手に渡りし」が慣用句の意味合いではないようにも感じられ、面白いですね。

○竹婦人ほどけゆく夜の深さかな
 眠りに落ちるほどに身体になじむ/身体がなじむさまを「ほどけゆく」と詠んだのだと思いますが、前につながるようで「ほどけゆく夜の…」と後ろにつながる措辞のありようが絶妙だと思います。これを「観音開き」とか、つまらない基準で切り捨ててはいけません。

○佳き人の良き音たててシャワーかな
 白鳥夫人の句に比べればずいぶん即物的ですが、じつは頭韻を揃え漢字表記を使い分け入念な句だと思います。

○五月忌読み方覚えて自足する
 なんだっけ、この忌みがあけないと髪を洗うことさえできなくて、だから「髪洗ふ」が夏の季語なんだ、というもっともらしい説明をネットのどこかで読んだことがあります。そんなあやしげな蘊蓄は無視して、読み方を覚えて自足するくらいのスタンスで臨みたいものです。

○捕虫網自分の影へ挿してをり
 すばらしいですね。暑くてやりきれず太陽に背を向けていて、だから自分の前に影があって、それも夏だからとても影が短くて…。そんな絵が見えてきます。

 
 
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