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◎向日葵といふ人望に似たるもの
うん、向日性。あれは先天的なもので、真似できない。
◎水無月の望遠鏡のなかに馬
函館か福島競馬場の返し馬。ぼくは双眼鏡(CarlZeiss)で夏競馬対応しております。
◎夜毎見る望遠鏡や夏休み
おお天体に目覚めたか。いいぞ。
◎グラナダの異郷の庭や花ざくろ
ギターの、あのトレモロが聴こえてきます。
◎みつ豆の本家本郷三丁目
明治期からありそう。
◎西郷さんの見送つてゐし夏燕
西郷さんが、まるでオスカー・ワイルドの幸福な王子みたいに見えてくる。
◎青林檎がぶり郷ひろみと希林
林檎殺人事件。文字の並びは「希林とひろみ・郷」のほうがいいかも。
◎夫婦なら故郷は二つ遠花火
なるほど。思わず感心しました。
◎あるだけの山百合抱いて逢ひに行く
漱石のより、明るい分いいかも。
◎山ほどの足跡のある夏座敷
幽趣ゼロの夏座敷。これもいいね。
◎青梅雨の山のあなたに住むあなた
歌奴っぽくていい。新大久保とカール・ブッセだけで食ってたなあ。ありゃあ、いい。
◎河岸変へるほほづき市を抜けながら
観音裏へぬけると、みんな知らないいい店がいっぱい。
◎河童忌や崖線の駅濡れそぼち
風情です。
◎河童来てシャワーを貸してくれと言ふ
はい貸しますけど。でもあの人たち、あとがちょっと生臭いんだよな、洗えばいいんだけどね。
◎昼顔や三河をんなの姦しき
三河弁ってのが、これが名古屋弁より凄いんだ、これが。
◎おおぞらやアイスの棒の捨て処
うん、持ったまま歩くね。
◎もどりきて我に席なしなすび漬け
かくも長き不在の場合、当然,席なんてあるわけない。甘いよ。
◎丸窓の向かうを過ぎる水海月
ムワーっと、ね。
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