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◎ブーゲンビリア水牛の行く古き道
おおらかな牧歌性。心がなごみます。
◎古書といふ海きらきらと夏の雲
南海堂。
◎古傷の辺りに触るる浴衣かな
変に糊のきいたやつ。
◎避暑の子の古風な襟のワンピース
少女の頃の岸田今日子と少年平岡公威の軽井沢エピソードみたい。ジンときます。
◎海の家年代物の風抜ける
もうちょいでジュラシック。
◎胡瓜揉むどこか遠くで代がはり
毎秒2,3件は、あるだろうな。
◎千年を三日で終える古代蓮
行田の王将。
◎熱帯魚灯して代々木ゼミナール
そうなの。ほんと?
◎ふるさとを舌で潰してゆで小豆
ほろ甘いね。
◎黒南風に艶磨かれて小人河馬
カタカナ表記じゃないと妙に新鮮。
◎小生が口癖なひと雲の峰
この若い「女性」を知っています。ときおり「拙者」ともいいます。
◎扇風機ドアに小さきドア付いて
猫用。やさしいんだなあ。
◎土用凪小龍包を啜り込む
慌てると舌を火傷しますぞ。
◎仏壇に小さきカレー夏の暮
小皿に盛って、ね。福神漬けも、ね。
◎やかんごと冷やす麦茶や香り満つ
いかにも。
◎建前は会合とめどなく麦酒
とめどなく頻繁にオシッコに並ぶ。
◎芸人とヤクザの狭間罌粟坊主
嗚呼フランク・シナトラ。
◎頭の外に転がる石や著莪の花
何度もやるとカラッポになるよ、ほんとだよ。
◎睦言の蚊遣の渦の尽くるまで
わあヤラシー、でもちょっとうらやましい。
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